モバイルバッテリーを水に落としたり、雨で濡らしたりした場合は、充電・給電・動作確認をせず、使用を中止してください。外側が乾いても、端子や内部に残った水分によってショートや腐食が進み、時間がたってから発熱・発煙する可能性があります。
特に、水没した製品や端子まで濡れた製品は、「乾かせば元どおり」とは判断できません。周囲の安全を確保したうえで、メーカー・販売店または自治体へ状態を伝え、再使用の可否や処分方法を確認するのが基本です。
モバイルバッテリーが水没したら、まず通電を止めて安全を確保する
水没直後は、「まだ動くか」よりも感電・ショート・発火につながる条件を増やさないことが優先です。次の順番で落ち着いて対応してください。
-
接続中なら、安全を確認して通電を止める
コンセントにつないで充電していた機器が水没した場合は、濡れた手でプラグや本体に触れないでください。安全に操作できる位置にある電源スイッチやブレーカーで上流側の電気を止めてから、接続を外します。水の中に手を入れて取り出したり、濡れた状態のコネクターへ触れたりするのは避けてください。
モバイルバッテリーとスマホだけが接続されており、発熱・異臭・煙などがなく、安全に触れられる状態であれば、無理な力をかけずにケーブルを外します。危険を感じる場合は近づかず、消防などの専門機関へ相談してください。
-
ボタンを押さず、充電や給電で確認しない
ランプが点くか、スマホを充電できるかを試すために通電すると、内部に水分が残っていた場合にショートを引き起こすおそれがあります。見た目に変化がなくても、電源ボタンを押したり、別のケーブルへ交換して試したりしないでください。
-
安全に触れられる場合だけ、外側の水分を拭き取る
本体が熱くなく、膨張・異臭・液漏れ・煙もない場合に限り、乾いた柔らかい布で外装表面の水分だけを静かに拭き取ります。端子の奥へ綿棒や紙を差し込んだり、本体を振ったりして水を出そうとすると、端子の損傷や内部への水分拡散につながるため避けましょう。
-
可燃物から離し、状態を伝えて相談する
紙、布、カーテン、スプレー缶などから離れた、安定した燃えにくい場所に置きます。バッグや引き出しの中へ戻すと、時間差で発熱した際に気づきにくくなるため適切ではありません。
その後、メーカー・販売店または自治体へ「いつ、どの程度濡れたか」「水没した時間」「現在の発熱・膨張・異臭・液漏れの有無」「製品名・型番」を伝え、保管や持ち込み方法の指示を受けてください。
水没・水濡れが時間差の発熱や発火につながる理由
モバイルバッテリーの内部には、リチウムイオン電池セルと、入力・出力・温度などを管理する制御基板があります。液体が端子や外装のすき間から侵入すると、本来つながらない部分に電気の通り道ができ、ショートや異常発熱につながる場合があります。
また、雨水、水道水、汗、飲み物、海水などにはさまざまな不純物が含まれています。水分が蒸発しても内部に成分が残り、端子や基板の腐食を進めることがあります。そのため、水没直後に異常がなくても、数時間後や数日後まで安全とは限りません。
NITE(独立行政法人製品評価技術基盤機構)も、USB充電コネクターへ液体や異物が侵入すると発煙・焼損するおそれがあるとして、デジタル機器の水濡れに注意を呼びかけています。詳しい注意喚起は、NITE「デジタル機器に『みず』『きず』『らっか』はNGです!」で確認できます。
濡れ方ではなく「内部に入った可能性」で対応を判断する
同じ「濡れた」でも、外装に数滴付いた場合と、風呂や川へ落とした場合ではリスクが異なります。ただし、ユーザーが内部への浸水を目視で確認することはできません。次の表は再使用を自己判断するためではなく、どの窓口へ、どの程度急いで相談するかを整理する目安です。
| 状態 | 考えられるリスク | 基本対応 |
|---|---|---|
| 外装に少量の水滴が付いた | 端子や継ぎ目へ流れ込んだ可能性 | 使用を止めて外側を拭き、取扱説明書とメーカーの案内を確認する |
| USB端子・ボタン・継ぎ目が濡れた | 内部浸水、ショート、腐食 | 充電・給電・動作確認をせず、メーカーまたは販売店へ相談する |
| 風呂・川・洗面台・洗濯機などで水没した | 広範囲の浸水、基板損傷、時間差の異常 | 再使用せず、メーカー・販売店または自治体へ回収方法を相談する |
| 発熱・膨張・異臭・液漏れ・煙がある | 発煙・発火など差し迫った事故 | 触らずに距離を取り、人の安全を確保して119番へ通報する |
水没後にやってはいけない6つの行動
早く乾かしたい、故障したか確かめたいという気持ちから行う操作が、ショートや発熱の引き金になることがあります。次の行動は避けてください。
- 充電器やスマホへ接続する:水分が残った状態で通電すると、ショートの原因になります。
- 電源ボタンを繰り返し押す:ランプが点いても、内部の安全が確認できたことにはなりません。
- ドライヤー・ヒーター・電子レンジ・直射日光で乾かす:外部から熱を加えると、電池セルの劣化や異常を進めるおそれがあります。
- 振る・叩く・強く押す:内部へ水分を広げたり、電池や基板へ追加の損傷を与えたりする可能性があります。
- 分解して電池を取り出す:工具でセルを傷つけると、内部ショートや発火につながるため危険です。
- 米や乾燥剤へ入れて「復活」を待つ:表面の水分が減っても、内部腐食や電池の損傷が解消されたとは判断できません。
落下や強い衝撃も電池へ負担を与えます。水没時に高い場所から落とした、川底や路面へぶつけたといった状況が重なった場合は、落下したモバイルバッテリーを使い続けてよいか判断するポイントもあわせて確認してください。
発熱・膨張・異臭・煙がある場合は距離を取り119番へ
水没後のモバイルバッテリーに、次のような変化が見られる場合は、回収先を探す前に人の安全を確保してください。
- 触れなくても分かるほど熱くなっている
- 本体が膨らんでいる、外装が割れている
- 刺激臭や焦げたようなにおいがする
- 液体がにじんでいる
- 煙、火花、炎、異音が発生している
煙や炎が出ているときは近づかず、周囲の人にも離れるよう知らせて119番へ通報します。NITEは、小型のモバイルバッテリーが発火した場合について、火花が収まった後に大量の水で消火・冷却し、可能な限り水没させた状態で消防機関へ通報する方法を案内しています。ただし、安全に実行できない場合は無理に近づかず、身の安全を最優先にしてください。
ここでいう「発火後の消火・冷却」と、濡れた製品を復活させるために水へ入れる行為は別の対応です。具体的な火災時の行動は、モバイルバッテリーが発火する原因と、異常時の安全な対処で詳しく整理しています。公的な案内はNITEのリチウムイオン電池火災に関する注意喚起も参照してください。
水没したモバイルバッテリーは回収ボックスへ直接入れない
水没・水濡れしたモバイルバッテリーを、可燃ごみ・不燃ごみ・プラスチックごみなどへ自己判断で混ぜないでください。収集車や処理施設で圧縮・破砕された際に、発煙や火災につながるおそれがあります。
また、家電量販店などに小型充電式電池の回収ボックスがあっても、水濡れ品を直接投入してはいけません。JBRCでは、破損・水濡れ・膨張などの異常がある電池を通常の回収対象外としています。詳しい条件は、JBRCの回収対象・対象外説明で確認できます。
相談先は「メーカー・販売店」と「自治体」が基本
水没品は、次の順番を目安に受け入れ可否と持ち込み方法を確認します。
- 製品のメーカーまたは購入した販売店
- お住まいの自治体のごみ・資源回収担当窓口
- 自治体から案内された処理施設や専門事業者
相談時には、「水濡れ品であること」を最初に伝えてください。通常品と異常品では、受付場所や梱包方法が異なる場合があります。許可を得ずに回収ボックスへ入れたり、宅配便で発送したりするのは避け、窓口の指示に従いましょう。
UGREEN製品については、製品名・型番・購入時期と現在の状態を整理したうえで、UGREENサポートへご相談ください。
雨・風呂・川・洗濯機では対応の優先順位が異なる
雨で濡れた場合
屋外で充電している途中に雨が降った場合は、まず充電・給電を中止し、雨の当たらない場所へ移動します。濡れた手で端子へ触れず、バッグへ戻す前に外装の水分を拭き取ってください。端子や継ぎ目まで濡れた可能性があれば、乾いたように見えても動作確認せず、メーカーへ相談します。
風呂・洗面台へ落とした場合
充電器がコンセントへ接続されている場合は、水の中へ手を入れず、可能であればブレーカーなどで上流側の電気を止めます。石けんや入浴剤を含む水は、不純物によって腐食や導通のリスクが高まるため、取り出した後も再使用しないでください。
川・海へ落とした場合
流れのある場所や深い場所では、製品を回収するために危険な行動を取らず、自分の安全を優先してください。特に海水は塩分を含み、腐食や導通が進みやすいため、回収できた場合も充電・給電せず、メーカーまたは自治体へ相談します。
洗濯機で洗ってしまった場合
水没に加えて回転・衝撃・洗剤の影響も受けているため、外観に異常がなくても再使用しないでください。洗濯機側に焦げ跡や異臭がないかも確認し、異常がある場合は洗濯機の使用も中止してメーカーへ相談します。
水濡れを防ぐには、持ち運び方と充電場所を見直す
日常の水濡れは、雨だけでなく、バッグの中で水筒が漏れる、汗で濡れた衣類と一緒に入れる、洗面台の近くで充電するといった場面でも起こります。次の対策を習慣にすると、端子への液体侵入を防ぎやすくなります。
- 水筒や折りたたみ傘とは別のポケットへ入れる
- 雨天やアウトドアでは、防水ポーチや密閉できる袋で持ち運ぶ
- 浴室・洗面台・キッチンなど、水がかかる場所では充電しない
- 濡れた手で本体やUSB端子へ触れない
- 製品が防水・防滴をうたっていても、端子カバーや使用条件を取扱説明書で確認する
モバイルバッテリーは水だけでなく、高温、圧迫、落下など複数のストレスが重なると異常へつながりやすくなります。バッグの中で重い物の下へ入れない、車内へ放置しないといった扱いも含めて見直しましょう。
安全機能があっても、水没後の安全を保証するものではない
モバイルバッテリーのBMSや保護回路は、過電流、過充電、過放電、短絡、温度異常などを監視し、異常時のリスクを抑えるために設計されています。しかし、液体が制御基板や電池セルへ侵入すると、保護回路そのものが正常に働かない可能性があります。
そのため、PSE表示や多重保護機能がある製品でも、「水没後に使ってよい」という意味にはなりません。安全機能は正しい使用条件で事故リスクを抑える仕組みであり、水没した製品を安全な状態へ戻す機能ではない点を理解しておくことが大切です。
UGREENでは、対象モデルに、セル品質を起点としてBMSによる状態監視、14の保護機能、5つの安全試験を組み合わせた独自技術DymondCell™を採用しています。日常使用時の温度・電圧・電流などの状態を監視し、異常リスクを多段階で抑える設計です。

ただし、DymondCell™やBMSなどの安全機能は、水没した製品の再使用を保証するものではありません。液体が内部へ侵入した可能性がある場合は、安全機能の有無にかかわらず通電せず、メーカー・販売店または自治体へ相談してください。
UGREENのモバイルバッテリー安全技術「DymondCell™」を詳しく見る >>
モバイルバッテリーの水没・水濡れでよくある質問
水没したモバイルバッテリーは、乾燥させれば使えますか?
再使用はおすすめできません。外側が乾いても、内部の水分、腐食、基板や電池セルの損傷は目視で確認できないためです。充電や動作確認をせず、メーカーまたは販売店へ相談してください。
何日乾かせば安全ですか?
「何日乾かせば安全」という共通の基準はありません。製品構造、液体の種類、浸水範囲によって状態が異なり、時間の経過だけでは内部の安全性を確認できないためです。
雨で少し濡れただけでも処分が必要ですか?
外装表面だけに水滴が付き、端子・ボタン・継ぎ目へ入っていないことが明確な場合でも、まず使用を中止して取扱説明書を確認してください。内部へ入った可能性がある、判断できない、挙動が普段と違う場合は通電せずメーカーへ相談します。
米や乾燥剤へ入れると復活しますか?
米や乾燥剤に入れても、内部の腐食や電池の損傷まで確認・修復することはできません。安全性を判断する方法にはならないため、復活を目的とした動作確認は避けてください。
水没品を家電量販店の回収ボックスへ入れてもよいですか?
直接入れないでください。JBRCでは水濡れなどの異常がある電池を通常の回収対象外としているため、店舗スタッフ、メーカーまたは自治体へ状態を伝え、受け入れ先と持ち込み方法を確認します。
水没後に発熱や煙が出たらどうすればよいですか?
無理に触れたり運んだりせず、人を遠ざけて119番へ通報してください。煙や炎が出ているときは近づかず、安全に対応できない場合は避難を優先します。
水没後は「乾かして試す」より、通電せず相談することが安全への近道
モバイルバッテリーが水没・水濡れしたときは、充電、給電、電源操作による動作確認を行わず、まず使用を中止してください。外側が乾いても、内部に残った水分や腐食によって時間差で異常が起こる可能性があります。
水没品や端子まで濡れた製品は再使用せず、メーカー・販売店または自治体へ状態を伝え、指定された回収方法へつなげるのが基本です。発熱・膨張・異臭・液漏れ・煙がある場合は、処分より先に人の安全を確保し、必要に応じて119番へ通報してください。
次に選ぶモバイルバッテリーは、容量や充電速度だけでなく、PSE表示、安全保護機能、取扱説明書、メーカーのサポート体制まで確認すると、万が一のときにも落ち着いて対応しやすくなります。UGREENでは、対象モデルにモバイルバッテリーの安全技術「DymondCell™」を採用しています。製品ごとの使用条件を確認し、自分の利用シーンに合った一台を選びましょう。
